TOSSY(DMM.com証券)とは?「差金決済取引(CFD)」は現物株と何が違うのか——初心者が混同する5つの点
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「差金決済」という言葉が2つの意味で使われている
このサイトの最初の記事は、楽天証券の米国株で「差金決済」に該当して資金が止まった話でした。あれは現物取引で禁止されている差金決済。
一方で、「差金決済取引(CFD)」という商品があります。こちらは最初から差金だけをやり取りする、合法的なデリバティブ取引です。同じ言葉が正反対の文脈で出てくるので、初心者は混同します。
よくあるつまずき 「差金決済は禁止」と覚えた直後に「差金決済取引(CFD)のアプリ」を見て、違法なものだと思う。逆に、CFDを現物株と同じ「株を買う」感覚で使い、レバレッジと追加損失の仕組みを知らずに始める。
TOSSYとは
DMM.com証券(関東財務局長(金商)第1629号)が2025年10月29日に開始したアプリです。公式の発表によると、
| 資産 | 銘柄数 | 取引の種類 |
|---|---|---|
| 株式 | 国内43・米国51 | 個別株CFD |
| 為替(FX) | 21通貨ペア | 店頭FX |
| 暗号資産 | 6(BTC・ETH・XRP・SOL・BNB・DOGE) | 暗号資産CFD |
| 株価指数 | 8 | 株価指数CFD |
| 商品(金・原油など) | 14 | 商品CFD |
| バラエティ | VIX指数 | CFD |
6つの資産をすべてCFDで、1つのアプリで売買するのがTOSSYの設計です。DMM.com証券の既存口座とは別に、TOSSY用のアカウント登録が必要です。
現物株とCFDの違い(5点)
1. 株を保有しない
現物株は株主になります。CFDは「株価を参照する契約」で、株そのものは持ちません。株主優待はなく、配当は「配当相当額の調整」という形になります。
2. 証拠金とレバレッジ
現物株は買う金額の全額が必要。CFDは証拠金を預けて、その何倍もの取引ができます。TOSSYの証拠金率(個人)は、
| 資産 | 証拠金率 | 実効レバレッジ |
|---|---|---|
| FX | 4% | 約25倍 |
| 個別株CFD・バラエティCFD | 20% | 約5倍 |
| 株価指数CFD | 10% | 約10倍 |
| 商品CFD | 5% | 約20倍 |
| 暗号資産CFD | 50% | 約2倍 |
10万円の証拠金で、米国株CFDなら約50万円分の取引ができます。値動きの影響も5倍です。
3. 損失が証拠金を超えることがある
現物株の最大損失は買った金額まで。CFDは公式に「その損失は預託された証拠金の額を上回るおそれがあります」と明記されています。急な値動きでは、預けた以上の損失が発生し、追加で入金が必要になることがあります。
4. コストは手数料ではなくスプレッド
TOSSYは「アカウント管理費及び取引手数料は無料」。ただし公式に「提示するビット価格(売付価格)とアスク価格(買付価格)には差(スプレッド)がある」「相場急変時には拡大することがある」と書かれています。買った瞬間にスプレッド分だけマイナスから始まるのがCFDです。また、一般にCFDは建玉を翌日に持ち越すと金利などの調整額が発生します(TOSSYの具体的な条件は公式で確認してください)。
5. 受渡日・差金決済規制の考え方が違う
現物株には受渡日があり、同じ資金で同じ銘柄を同日に往復すると差金決済規制に触れます。CFDは最初から差金だけを決済する商品なので、この規制の対象ではなく、同じ日に何度売買しても問題ありません。「現物の受渡日ルールが面倒だからCFDへ」という発想は、仕組みとしては筋が通っています。ただし、その代わりにレバレッジと追加損失のリスクを引き受けることになります。
向いている人・向いていない人
向いている - 現物株の受渡日・差金決済規制を理解したうえで、短期売買を1つのアプリで完結させたい - 少額の証拠金で複数の資産(株・FX・金・指数)を扱いたい - レバレッジのリスクを数字で管理できる
向いていない - 長期で株を持ち、配当や優待を受け取りたい - 「買った金額以上は絶対に損したくない」 - 損切りルールを決めずに取引する
このサイトの立場としては、現物株で受渡日・逆指値・資金管理の型ができてからCFDに進むのが順番だと考えています。順番を逆にすると、レバレッジが「知らなかった」を何倍にもします。
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TOSSYの公式サイトでは、取扱銘柄・スプレッド・証拠金率の最新の条件と、リスクに関する説明が公開されています。CFDを検討するなら、まず公式の説明を読んでから判断してください。
アカウント登録にはマイナンバーカード等の本人確認書類が必要。CFDは損失が証拠金を上回る可能性がある商品です。
CFDを使うなら守ること 1. 実効レバレッジは3倍以下に抑える(証拠金率の上限まで使わない) 2. 1回の取引の損失上限を資金の1〜2%に決めてから数量を逆算する 3. 損切り注文(逆指値)を必ず入れる 4. 持ち越すなら調整額のコストを確認する 5. 現物株の資金とCFDの証拠金を混ぜない
まとめ
- TOSSYは6資産をすべてCFDで売買するDMM.com証券のアプリ(2025年10月開始)
- 「差金決済の禁止」(現物)と「差金決済取引」(CFD)は別物
- CFDは株を保有せず、証拠金でレバレッジ取引。損失が証拠金を超えることがある
- 手数料無料でもスプレッドと持ち越しの調整額がコスト
- 現物株で資金管理の型ができてから
出典を見る(4件)
- DMM.com証券 プレスリリース「6つのアセットをアプリひとつでスピーディーに売買できる【ウルトラ投資アプリ TOSSY】提供のお知らせ」(2025年10月29日) — https://kyodonewsprwire.jp/release/202510297977
- TOSSY 公式サイト(取引の種類・手数料・証拠金率・リスクに関する記載) — https://tossy.com/
- 楽天証券「米国株式 差金決済取引について」(現物の差金決済規制) — https://www.rakuten-sec.co.jp/web/us/stock/rule/net_settlement_trade.html
- e-Gov法令検索「金融商品取引法第百六十一条の二に規定する取引及びその保証金に関する内閣府令」 — https://laws.e-gov.go.jp/law/328M50000040075
よくある質問
「差金決済」は禁止されているのでは?
禁止されているのは「現物取引で、同じ資金・同じ銘柄を同じ受渡日に往復して差額だけで決済すること」です。CFDは商品自体が差金決済を前提とした店頭デリバティブ取引で、法律上まったく別のものです。
TOSSYで米国株を買うと、株を保有することになりますか?
なりません。CFDは株価を参照する契約で、株そのものは保有しません。配当相当額の調整はあっても、株主にはなりません。
手数料無料なら現物株より安いですか?
取引手数料は無料ですが、売値と買値の差(スプレッド)がコストになります。また建玉を持ち越すと調整額が発生するのが一般的なCFDの仕組みです。短期の売買を前提にした商品と考えてください。